2009年8月6日木曜日

[続・野鳥] たまには殊勝なときも、ワグテール




● ワグテール Willie Wagtail


[続・野鳥] たまには殊勝なときも、ワグテール
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 別にプラバーほど無視はしていないが、でもそこそこ無視しているのがこのイタズラ鳥。
 チュンチュン鳥ともいい、人の歩くまえ後ろ、ひだり右と飛び回る。
 「オイ、何やってんだ」
 「サンポだ」
 「クダランことするな!」
 「おまえに、いわれたきゃネエよ」
 人をコバカにして、挑発する。
 コニャロー、と思いながら、鳥に怒っても何もなるまい、と心を静める。
 が、ついついつられてカメラを向ける。
 「誰がオマエなんぞに撮られるか」
 とばかり、スッツと逃げる。
 尻尾をふり、その俊敏さはあきれるほど。
 右に飛ぶか、左か、それとも前か。
 まったく判断させない小憎らしさ。
 「誰がオマエなんぞ、撮ってやるか」
 と、思いながら舌打ちする。
 無視、無視、と心に決めてかかるようにしている。

 異常季節の変わり目か、それとも天変地異か。
 えらく殊勝に、目のまでじっと止まっている。
 今日は、天中殺か。
 「オレオレ」
 オレオレサギか。
 「写真に載せてくれ」
 「オマエも、インターネットで世界をめぐりたいか」
 時には素直になるときもあるようだ。





 数枚撮る。
 スット飛んで、また同じ場所に戻ってくる。
 「違うポーズの方がいいだろう」
 「まあな」
 「うまく撮れよ、被写体がいいのだから」
 相変わらず、口先の減らないヤツだ。








 こいつと関わっていると、世界がこのガキを中心に回っているような錯覚に陥ってしまう。




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