● サザン・ブーブック Southern Boobook
野鳥とあそぶ[続]:サザン・ブーブック
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【午前10時頃】
クリークへの散歩は朝と夕方の2回ほどいく。
朝は起きがけの6時から7時前後、夕方は4時から5時頃。
この日、ちょっと真剣にパソコンに打ち込んでいたため、気晴らしにと10時頃、またブラリと出かけた。
往復で1キロほど。
15分くらい、写真をとっても20分くらいである。
最近はこの近場のクリークですませ、遠くまでは出かけなくなった。
気分の入れ替えにはお手軽なコースになっている。
「あれは、なんだ!」
というのにぶつかった。
風にあおられた黒いダンボールが枝に引っ付いたのだろうというのが、最初の印象。
でも、ボリュームがある。
黒い壷みたいのが木の枝に載っているような、あるいはなにか黒っぽいものがぶるさがっているような感じである。
だれかのイタズラだろうかとも思ってみた。
なんだろうと、近づいて見てみた。
こういう動作をすれば鳥なら逃げるはずであるが、まるで動かない。
ということは、何かの物体だ。
ナンだろう、と横に回って、できるかぎりクリークの土手の先端まで近づく。
「ウーン!、もしかして、これ」
「フクロウか?」
フクロウ!、
そんな生物は動物園でしかみたことがない。
しかし、その思い出もなく、あるのは本に載っている写真のイメージだけである。
はっきり見えないので似ているような気もする。
もしこれが顔としたら、昔見たスターウオーズにでてくる、小人の顔に似ている。
もう一度正面に回って、「フクロウ」というイメージで見直してみる。
と、ジットみていたら、なんとなんと、下にもう一羽いるではないか。
こちらをじっと見ているような、寝ているような。
まちがいなく、フクロウだ。
本物のフクロウとはこういう顔をしているのか。
これは大きい。
野生のフクロウに会ったのだ。
感激というより、何か「異常」という心理。
この顔を見ているだけで、別の異常という世界にいるような気分になってくる。
ちょうど、コンピュータグラフィックスで作られた深層心理を浮き立たせた映画の世界のような。
フクロウというのは、夜の生物で昼にいるはずがない。
そいつが、昼間のクリークにいる。
鳥というのは鋭敏な警戒感をもっており、羽を持つという特徴から、すぐに飛んで逃げる性質をもっている。
がこの鳥、でかい図体をさらして、逃げるなどと夢にも考えていない、といったオーラである。
この散歩は、この日の2度目のものである。
朝方、ここを通っている。
気がつかなかった。
この木で鳥をみたことがないので、あまり注意を向けたことがないので、素通りしてしまったようである。
朝方、散歩の後にここに飛んできたというのは、フクロウの習性からみてありえない。
もしそうなら、私が近づいて覗き込めば、逃げるはずである。
この偶然の機会を逃したくなく、ひたすらシャッターを切り続けた。
が、である。
この鳥、あまりに動きがない。
何枚とっても何十枚とっても、なかなか違ったポーズがない。
だんだん、勝手ながらこの複雑な顔にも飽きてくる。
なんともかんとも、この顔はワカリ難い。
【午前12時頃】
昼頃、どうなっているか様子を見にいった。
まだいた。
それも、まったく変わらぬ位置に。
またまた、カメラを向けてしまった。
ちなみに、この日撮った写真の枚数は3百枚を超える。
デジカメだからこんなことができる。
フィルムだったらえらいことである。
図鑑で見てみる。
『
● [Australian Birds] より
』
Southern Boobook:サザン・ブーブック(Wikipedia:サザンブーボック)
和名:ミナミアオバズク
「boobook」は「アオバズク」と訳されている。
「青葉ズク」か「青バズク」かであろうが、どういう意味だろう。
図鑑でみると4種類ある。
容姿がみな違う。
こういうのは分類的には分けるべきだと思うのだが。
写真に撮ったのは、生息域Aで写真5にあたるもの。
拡大しておきます。
● [Australian Birds] より
【午後2時頃】
また、見にいった。
今度は位置が変わっている。
上のフクロウが下のフクロウのところに降りてきている。
これは写真を撮るのに便利でいい。
顔の部分を拡大してみます。
サイトにやはり昼間出会ったキャンベラ・フクロウのエピソードがありました。
抜粋で。
『
キャンベラに住みなす(2006/02/07)
http://mblog.excite.co.jp/user/johnnycake/entry/detail/?id=3494286
梟がいたよ。
家に着いて車を停めたとき、長女が大声で「梟がいるよ!」と言うではありませんか。
真昼間に変なことを言う、と私からも妹たちからも怪訝な顔をされた彼女、居間の外にある木の下までそっと行き手招きするのです。
行ってみると、なんと梟が3羽もその木に止まっていたのでした。
我々の声が聞こえたはずなのに、ちっとも恐がらずにちょこんと止まっています。
一番下の枝に止まっていた梟は、1メートル近くまで近寄らせてくれました。
もっとよく見たいと思った長女が木に登り始めたのですが、さすがにそれは困ったという風情で屋根の上まで飛んでいってしまいました。
残りの2羽はもうすこし高い枝に止まっていたので、逃げるでもなくじっとこちらを見ていました。
2時間後に帰ってきた連れ合いにも「まだいるかもしれない」と枝の下まで連れて行ったところ、2羽がまだ止まったままでした。
ちょうど外に出てきていたお隣さん2人も呼んで、しばしバード・ウォッチングをした次第です。
お隣のおじさんは20年以上ここに住んでいますが、梟を見たのは初めてだとびっくりしていました。
この梟、名前はSouthern Boobookというもので、オーストラリア全国に分布しているそうです。
』
【午後4時半頃】
夕方の散歩にいった。
まだ、いた。
「おい、寝るなよ」
鳥の目玉というのは、マブタがなく開きっぱなしだと思っていた。
というのは、数多く鳥を撮ったが、どの写真の鳥も目玉が開いていて、まぶたが閉まったものがなかったからである。
鳥にはマブタがないものだとばかり思っていたが、フクロウは目を閉じれるようである。
最後はなんといってもビデオですね。
『
The Internet IBC Bird Collection :Southern Boobook
http://ibc.lynxeds.com/video/southern-boobook-ninox-boobook/bird-hidden-vegetation
http://ibc.lynxeds.com/video/southern-boobook-ninox-boobook/bird-perched-branch
http://ibc.lynxeds.com/video/southern-boobook-ninox-boobook/bird-perched-tree-lifting-its-legs
http://ibc.lynxeds.com/video/southern-boobook-ninox-boobook/bird-perched-tree
http://ibc.lynxeds.com/video/southern-boobook-ninox-boobook/individual-perched-branch
http://ibc.lynxeds.com/video/southern-boobook-ninox-boobook/bird-perched-tree-moving-its-head
』
なを、翌日にはいなくなっていました。
【Top-Page】
[◆◆]
トリを勤めた鳥はいかがでしたか。
ちょっと芸がない鳥ですが、存在感はなかなかのものです。
無口なのが、トリにふさわしくないかもしれませんが。
『続・野鳥と遊ぶ』はこれをもって終了します。
山の方で撮った未紹介の鳥の写真は「folder」サイトに載せてあります。
なを、既存稿への加筆・修正は適宜行います。
[◆ その後 ◆]
その後にもサザンブーブックには出会っている。
下記の稿でどうぞ。
【ふくろう消息:home】
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