2009年8月5日水曜日

[続・野鳥] ベビー・プラバー争奪戦


● ベビー・プラバー Masked Lapwing


 

[続・野鳥] ベビー・プラバー争奪戦
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 引っ越して来てからこの方、完全に無視していた鳥がいる。
 「
Masked Lapwing:マスクド・ラップウイング(通称:プラバー)」
 だいたいツラがよくない。
 ブスではなく、「キロテクス」。
 黄色い顔のグロテスク。
 まだ、アダチガハラのノイジー・フライヤーバードの方が可愛い。
 見たくもない顔。
 この鳥、カラスと並んで大嫌い。

 でも、この鳥のヒヨコはメッチャかわゆい。
 歩きの敏捷性にかけてはピカ一である。
 ただ、ヒヨコのときだけ。
 ちょっと大きくなると、異星から送り込まれたウルトラマン暗殺鳥になる。
 
 公園脇の歩道をブラブラしていたら、親鳥1羽とヒヨコが4羽いた。
 もうそういう季節になったのである。


● 拡大してください。

 写真をとるぞ!ヒヨコを追いかけ始めた。
 逃げるヒヨコ。
 追う私。


● 逃げるヒヨコ

 襲ってくるプラバー。
 が、もう一羽の親プラバーがいない。
 どうしたのだ。
 まるで姿を現さないではないか。
 こんな緊急時に。

 ヒヨコがかがみこんだ。
 よしよしと、カメラを向けて、パチリ、パチリ。










 おっとっとっと。
 親鳥の襲撃が熾烈を増す。
 うなり声とともにわたしの背中を羽でバチンと叩いた。
 本当に叩くのです。
 これまで叩かれたことはなかった。
 急角度で曲がり、その羽音で敵を追い払うのかと思っていた。
 威嚇だけで、「本当には襲わない」と聞いていたが、違う。
 羽で実際、敵を打つのです。

 写真を撮っているあいだ、3回か4回叩かれました。
 ここに生息するプラバーは羽に「毛爪」がある種のものではないので、まったく安全とわかっており、叩かれても無視してヒヨこにカメラを向けていましたが。
 これが爪を持つ「
Spur-winged Plover」だったら、大変なことになっていただろう。






 でも、いつ見てもこのヒヨコは可愛いです。
 これが、ウッドダックのヒヨコなら、捕まえて写真を撮るのですが。
 そこまですると親鳥が何をするか。
 ちょっと勇気がわきませんでした。











[◆ その後 ◆]



 この公園の横を通るたびに見るが、だんだんその数が少なくなっていく。
 いまは、たった1羽になってしまっている。
 4羽いたが、3羽は消えた。



 この公園の一角にあるのが「ドッグ・プレイグラウンド」
 つまり、犬専用の遊び場。



 グルリとフェンスに取り囲まれている。
 お金がかかっている。
 たかが、イヌコロのために。



 そして、滑り台、飛行棒、S字コースなどいろいろ。
 たかがたかがイヌのために。
 まったく、優雅なものだ。



 この環境なので、犬はすこぶる多い。
 そして小犬は、フェンスの外の公園内に放たれる。
 子犬はヒヨコを追いかける。
 
 ベビー・プラバーにとっては、生死を分かつ環境でもある。
 生き残ったものだけが、次のステップに進める。
 大きくなるのにつれ、だんだん顔つきが変わっていく。
 そして最後に選ばれたものだけが、ウルトラマンと戦うための挑戦権を得る。
 そのときは、この世のものとは思えない怪鳥に変身している。。


 変身しはじめたヒヨコ。
 ちょっと、ブサイクになってきている。


 そして、ちょうど1カ月たった。
 たった1羽だが、けなげに生き延びている。
 もっこりしてきている。



 その後、さらに。
 もう親鳥と同じオスガタに変身。
 一回り小さいだけ。
 動き方も親鳥そっくりになっている。
 こうなると、もはや興味の対象にはならなくなる。
 朗報がある。
 子鳥は2羽いた。
 1羽だと思っていたが、これで種族保存の法則は成り立つ。





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