2009年7月15日水曜日

[続・野鳥] またまた、ペリカン







● ペリカン Australian Pelican



[続.野鳥] またまた、ペリカン
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 この鳥、すでにこれまで2回取り上げている。
 これで3回目。
 いつもカモメとつるんでいるが、どうもカメラはペリカンへ向き、カモメは無視される。
 「カモメを出すなら、ワタシも」とペリカンは割り込んでくる。
 どうもペリカンには甘い。
 
しかたがない、優雅なものとそうでないのをくらべれば、どうしても優雅なものに目がいってしまう。








 ペリカンの餌付けはペリカン・シーフードの前で見ることができる。
 ここのペリカンの数は半端じゃないほど。
 ローカルな餌付けを見れるのは、オーストラリア・フェアーの対岸にあたるホテル・ベルサーチの先隣の魚屋さん。
 だいたい、昼ごろ。
 二羽から数羽のこじんまりしたもの。
 その写真を載せておきます。

























 ペリカンの優雅さは飛びぬけている。
 ついフラフラとなる。
 が、その優雅さに隠くされた非情な一面について書いたものがありました。
 実吉達郎著「おもしろすぎる動物記」より。

 やがて私は長年とけなかった疑問が解けた。
 が、同時に慄然とした。
 その疑問とは、ヒキガエルなどのオタマジャクシがカエルになり、爪の上にも乗るくらい小さな幼蛙の大群となって池の岸などでウヨウヨいる。
 これらが何を食べるのか、という疑問であった。
 飼育下でもオタマジャクシからカエルになったばかりの幼蛙は、小さすぎ、多すぎて、たとえ蚊やノミでもエサにやりようがないし、そのときどうするかは飼育書にも、また蛙学の専門書にも書いてない。
 そういえば----と私は池の岸で幼蛙たちがパクッツとかみつき合っているような”意識下の記憶”がある。
 
 真相はやはり、「共食い」であった。

 幼蛙たちは互いに食べあって大きくなり、ごく少数のカエルだけが生き残って、散っていったのだ。
 彼らは共食いを常習化し、それが当たり前という生態をもっていたのである。

 両生類よりずっと高等な動物で、これと似た習性を示すものは、意外にも「ペリカン」である。
 ペリカンはコロニーと呼ばれる集団営巣地を作るのだが、卵の孵化する日数にかなりの違いがある。
 そのため大きなヒナと小さなヒナができてしまう。
 この差が恐ろしい結果を招く。
 小さなヒナは親ペリカンに踏みにじられたり、投げ出されたりするのはまだしも、しばしば大きなヒナに喰われてしまうという。
 どのヒナも皆そうするというのではない。
 「部分的共食い習性」ではあるが、やはり恐ろしい育ち方には違いない。






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