2009年7月13日月曜日
野鳥とあそぶ[続]:フィグバード
● フィグバード Figbird
[上:オス 中:メス 下:オス]
野鳥とあそぶ[続] フィグバード Figbird
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写真を撮り、それがフィグバードであることは以前からわかっていた。
が、どうも文章を書くのをためらっていた。
とういうのは、こいつの生態というか、生息域というか、分類というか、それがどうもあいまいなのである。
Wikipediaや図鑑は簡単にしか書いていないし、ならばというのでサイトを調べてみると、どうもまちまちである。
撮った写真を上に3枚に載せてある。
それぞれ違う。
下のように図鑑でみると3葉の写真が出てくる。
上はそれに合わせてあります。
[上] 目の赤い鳥:オス
[中] 胸から’腹が縞々模様:メスまたは幼鳥
[下] 目の黄色い鳥:オス
● [Australian Birds] より
上に分布域も載せてありますが、調べていってだんだんにわかってきたのは、どうも多くの人たちはこの鳥を勘違いして理解しているのではないかということなのです。
これは日本語サイトもそうですし、若干の英文サイトもそうです。
結論から先に単純に整理して言うと次のようになるのではないかと思います。
「Figbird」とはこれだけで「メガネコウライウグイス」と和名されるのです。
ところがこの和名で出てくる英文の鳥名を見ると「Green Figbird」と出てくる場合がある。
それがケアンズあたりにいる胸の黄色いフィグバードを指して名づけているのです。
日本語サイトではそれが通常の命名のようになっている。
サイトを検索してみてください。
大半が、鳥の紹介でそのように記載されています。
このケアンズあたりで野鳥観察された写真は「Yellow Figbird」で「Green Figbird」ではないのです。
「Yellow Figbird」は和名では「キバラメガネコウライウグイス:黄腹-メガネ高麗ウグイス」なのです。
では「Green Figbird」は何か? ということになります。
正式には存在しないのです。
図鑑のどこを探しても見つかりません。
ではこれ、何鳥なのか?
「Southern Figbird」の俗称ということになっています。
「チモールメガネコウライウグイス:チモール-メガネ高麗ウグイス」と和名されています。
よってサイトではわざわざ「Green or Southern Figbird」という表示をしているところもあります。
正式には「Southern Figbird」が「チモール-メガネ高麗ウグイス」ということになってくるのです。
さらに面倒なことに「Australian Figbird」という命名もあります。
ここまで名前混乱してくると、初めて出会って知識のない者にとっては、どれを信用していいかわけがわからなくなっくる。
まとめるとこうなります。
「Figbird」が正式名称です。
和名は「メガネコウライウグイス」です。
たった7文字のアルファベットに対してこの長い名前で始めの間違いが発生してしまうのです。
オーストラリアに生息するFigbirdということで「Australian Figbird」と呼ばれることもある。
その Australian Figbird には2種類ある。
一つは北の方(ケアンズあたりより上(北)のほう)を生息域としているのが「Yellow Figbird:キハラ(黄腹)メガネ高麗ウグイス」です。
図鑑を拡大して載せます。
● [Australian Birds] より
もう一つが東海岸を生息域としている「Southern Figbird」である。
和名を「チモール-メガネ高麗ウグイス」と呼んでいる。
また、俗称「Green Figbird」とも呼ばれている。
● [Australian Birds] より
ということになるでしょうか。
よって、ケアンズあたりの鳥で目の赤い、胸から腹にかけて黄色鳥は「Yellow Figbird」であり、「Green Figbird」ではないのだ、ということ頭に入れておいたほうがいいと思います。
そして、両種のメスおよび幼鳥が下の腹が縞々の鳥になるというわけです。
● [Australian Birds] より
英文解説では下記のものがわかりやすいです。
『
Bird Forum
http://www.birdforum.net/opus/Australasian_Figbird
25-29cm. Two Australian races: males differ, females similar.
Race flaviventris "Yellow Figbird" (tropical north Australia): male: bright yellow throat/breast; white underparts.
Race vieilloti "green figbird" (coastal east Australia); male: throat/upperbreast/collar mid-grey; flanks green; underparts white.
Female: bill dark brown; upperparts dull brown with bare grey-brown skin around eye; underparts whitish, heavily streaked dark brown, so heavily on throat as to apear dark brown.
Immature: pale scallops on wing feathers; young males show shadowy adult markings.
Susbspecies flaviventris Photo by xodarapMarlows Lagoon NT Australia, June 2005
Susbspecies flaviventris
』
次の問題は、赤目は Yellow:イエロー・フイグバードで、黄色目がSouthern:サザン・フィグバードと思い込みやすいということがあります。
東海岸地域にも赤目はいるのです。
つまり、東海岸には赤目のフィグバードと黄色目のフィグバードがいることになる。
そして、赤目フィグバードの分派で胸から腹にかけて黄色い種類のものに限って、イエロー・フィグバードとして分類していることのようなのです。
● 赤目
● 黄色目
● メス:排水緑地で
もう一つ分かりにくいのは胸が縞々の鳥はメスであるが、これにも赤目がいるのである。
赤目はオスのはずなのであるが。
● 赤目で縞々:オスかメスか? [Australian Birdlife]より
オスかメスかと問われれば、やはり赤目でオス、というのが正解にちかいだろうと思っています。
簡単に分けると、胸が黄色であろうと、シマシマであろうと、他の何の色であろうと、目が赤いなら(もしかして黄色でも)オス、黒目ならメスとします。
完全な判断ができるほどに十分な知識がありませんので、アウトラインだけとしておきます。
サイトはいろいろありますが省略します。
ビデオをどうぞ。
ウグイスですから、鳴き声を。
『
Green figbird
http://video.google.com/videoplay?docid=-2201888174785367931
Aussie Figbird
http://www.youtube.com/watch?v=9K_2Cxt9gJs&feature=related
』
手品をみるように木の実を取り出すシーンを。
『
figbird feed
http://www.youtube.com/watch?v=fTQAa8Kzl-k&feature=related
』
【Top Page】
【◆】
Australasian Figbird (or Australian Figbird)
Figbirdには3種類ある。
オスの配色によって見分ける。メスは同じ。
Wikipediaから。
『
Australasian Figbird(オーストラリア・フィグバード)
代替名:イエローフィグバード( レース:flaviventris)、緑フィグバード、南フィグバード(共に レース:vieilloti)
』
①.Yellow Figbird (キバラ・メガネコウライウグイス)
目の周りが赤で、胸から腹にかけて黄色:北海岸部に生息
②.Green Figbird (ミドリ・メガネコウライウグイス)
目の周りが赤で、胸から腹にかけて草色:東海岸部に生息
通常、単にFigbird(フィグバード:メガネコウライウグイス)というと、これを指す。
③.Southern Figbird (ミナミ・メガネコウライウグイス)
学名が Green Figbird と同じなので、一緒のものとされている。
[◆]
前掲の英文解説では学名にあわせて2つに別けている。
①.Race flaviventris= "Yellow Figbird"
②.Race vieilloti ="green figbird"
Wikipediaでは Race vieilloti に"green figbird"と"southern figbird"の2種があるとしている。
Race vieilloti は一般には「チモール・メガメコウライウグイス」と呼ばれている。
分類としてはWikipediaのほうが現状に合っている。
【◇】
このサイトでは学名に合わせて2つに分類している。
しかし、この地域は「 flaviventris( "Yellow Figbird")」の生息範囲ではない。
よって、Figbird(フィグバード)と述べているのは、学名「vieilloti 」のもの、すなわち「green figbird & southern figbird」を合わせて指している。
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